サロンを開業する際、意外と悩むのが「顧客カルテ」の管理方法です。
昔ながらの紙カルテにするか、それとも流行りの電子カルテ(アプリ)を導入するか。
特に個人経営や自宅サロンの場合、コストや手間を考えるとどちらが良いのか判断に迷う方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、これからの時代、個人サロンこそ「電子カルテ」の導入が強く推奨されます。
それは単に「デジタル化」という流行に乗るためではなく、限られた時間とスペースでサロンを運営していく上で、圧倒的なメリットがあるからです。
今回は、紙カルテと電子カルテそれぞれのメリット・デメリットを比較し、なぜ個人サロンに電子カルテが適しているのか、その理由と選び方のポイントを徹底解説します。
【慣れ親しんだ安心感?「紙カルテ」のメリット・デメリット】



まずは、多くのサロンで長年使われてきた紙カルテについて見ていきましょう。
紙カルテの最大のメリットは「導入のハードルの低さ」と「自由度の高さ」です。
用紙とペンさえあればすぐに始められ、初期費用はコピー代やファイル代程度で済みます。
また、イラストを描いたり、気になったことを余白にメモしたりと、書き方のルールを自分で自由に決められるのも魅力です。
デジタル機器が苦手な方にとっては、直感的に書ける紙の方が安心感があるかもしれません。
一方で、デメリットは「管理の手間」と「保管スペース」の問題です。
お客様が増えれば増えるほど、カルテの枚数は膨大になります。
施術の前に、五十音順に並んだファイルの中から該当するカルテを探し出す作業は、意外と時間がかかるものです。
また、自宅サロンなどの限られたスペースでは、カルテを保管する棚が場所を圧迫してしまうことも少なくありません。
さらに、エステサロンやネイルサロンなどの特有の悩みとして「写真と顧客の紐付けが難しい」という点があります。
施術したネイルの写真をスマホで撮影しても、それを現像して紙カルテに貼り付ける作業は非常に手間がかかります。
結果的に「写真はスマホの中、詳細は紙カルテ」と情報が分散してしまい、次回の提案時にスムーズに振り返れないという事態に陥りがちです。
【効率化の切り札!「電子カルテ」のメリット・デメリット】



次に、近年普及が進む電子カルテ(アプリ・Webサービス)についてです。
電子カルテの最大のメリットは「情報の検索性」と「写真管理のしやすさ」です。
お客様の名前を入力すれば一瞬でカルテを呼び出せるため、施術前の準備時間を大幅に短縮できます。
そして何より、施術したネイルの写真をその場で撮影し、そのままカルテに保存できるのが大きな強みです。
日付ごとにデザインと使用したカラー、お客様の反応などをセットで記録できるため、次回のカウンセリングの質が格段に上がります。
デメリットとしては、「導入コスト」と「操作への慣れ」が挙げられます。
サービスによっては月額料金がかかるものや、専用のタブレットを用意しなければならないものがあります。
また、タッチパネルでの入力に慣れていない場合、最初は紙よりも記録に時間がかかると感じることもあるでしょう。
しかし、最近ではスマホで使える無料または低価格なアプリも増えており、コスト面のハードルは下がってきています。
【個人サロンこそ電子カルテを選ぶべき3つの理由】



大手サロンだけでなく、むしろスタッフのいない個人サロンこそ電子カルテがおすすめです。
その理由は主に3つあります。
一つ目は「事務作業の時間を接客に充てられるから」です。
一人で経営していると、施術以外の事務作業もすべて自分でこなさなければなりません。
カルテを探す、整理する、写真を整理するといった「利益を生まない時間」を極限まで減らし、その分をお客様とのコミュニケーションや技術向上のための時間に充てることができます。
二つ目は「省スペース化」です。
物理的な紙やファイルが存在しないため、保管場所を一切必要としません。
iPadやスマホ一台の中に、何千人分もの顧客データが収まります。
サロンの空間をすっきりと保てるのは、小規模サロンにとって大きな利点です。
三つ目は「リピート率向上への活用」です。
電子カルテに蓄積されたデータは、単なる記録以上の価値を持ちます。
「前回はいつ来店されたか」「どんなデザインを好まれるか」といった情報をすぐに確認できるため、お客様一人ひとりに合わせたパーソナルな提案が可能になります。
「前の色、すごく良かったです」と言われた時に、すぐにその写真を出せるかどうかは、お客様からの信頼感に大きく影響します。
【失敗しない電子カルテの選び方】



では、数ある電子カルテの中からどのようなものを選べばよいのでしょうか。
まずは「写真保存の手軽さ」を重視しましょう。
ネイルサロンなどにとって写真は命です。
枚数制限がなく、高画質で保存できるもの、そして撮影した写真に簡単なメモ書きができる機能があると便利です。
次に「コストパフォーマンス」です。
多機能すぎるPOSレジ一体型のシステムは、個人サロンにはオーバースペックで高額な場合があります。
必要なのは顧客管理とカルテ機能だけ、という場合は、シンプルで月額費用が抑えられたアプリを選ぶのが賢明です。



「キャストファイル」のように、基本的な機能を無料で試せるサービスから始めてみるのも良いでしょう。
最後に「セキュリティとバックアップ」です。
お客様の大切な個人情報を扱うため、セキュリティ対策がしっかりしていることは必須条件です。
端末の故障でデータが消えてしまわないよう、クラウド上にデータが保存されるタイプを選びましょう。
【まとめ】
紙カルテには紙の良さがありますが、業務効率化と顧客満足度アップを目指すなら、電子カルテに軍配が上がります。
特に写真はサロンにとって重要な資産です。
それを最大限に活用できる環境を整えることは、サロンの成長に直結します。
まだ紙カルテを使っている方や、これから開業する方は、ぜひ一度電子カルテの導入を検討してみてください。
スマホ一つでサロンワークが変わる快適さを、きっと実感できるはずです。





