ネイルサロンの経営において、新規客を増やすこと以上に重要なのが「リピート率の向上」です。
新規集客には多大な広告費や労力がかかりますが、一度ご来店いただいたお客様がファンになり、継続的に通ってくださることは、サロンの経営を最も安定させる鍵となります。

「技術には自信があるのに、なかなかリピートに繋がらない」



「お客様との会話が弾んだはずなのに、次回の予約が入らない」
そんな悩みを抱えているオーナー様は少なくありません。実は、リピート率が上がらない原因は技術力不足ではなく、施術後の「フォローアップ」や「お客様への深い理解」が不足していることにあります。
ここで大きな力を発揮するのが、iPadなどで管理する「電子カルテ」です。単なる記録用としてだけでなく、お客様を感動させ、再来店を促すための「おもてなしツール」として電子カルテを使いこなす方法を解説します。
【リピート率が低いサロンの共通点と「忘却」の壁】
リピート率が伸び悩むサロンには、ある共通点があります。
それは、お客様がサロンを去った瞬間に、そのお客様とのコミュニケーションが途切れてしまうことです。



お客様が二度目の来店をしない最大の理由は、意外にも「なんとなく」です。
「技術が気に入らなかった」という明確な不満がある場合は稀で、多くの場合は「前回のサロンも良かったけれど、他にも良さそうなところがあるから行ってみよう」という、ブランドスイッチが簡単に起きてしまうのです。
この「なんとなく」の失客を防ぐには、お客様に「このネイリストさんは私のことを誰よりもわかってくれている」という強い実感を持っていただくしかありません。
紙のカルテでは、次回の来店時に慌てて前回の記録を確認するのが精一杯です。しかし、電子カルテを活用すれば、お客様がサロンを離れている間も、再来店に向けた準備やアプローチを戦略的に行うことができます。
【電子カルテだからできる!「特別感」を演出する顧客情報の残し方】
お客様を感動させる接客の第一歩は、徹底的な「パーソナライズ」です。
電子カルテのメモ機能をフル活用して、技術的な情報以外の「お客様の背景」を記録しましょう。
例えば、以下のような情報を残しておきます。
・お仕事の内容や、パソコン作業の頻度
・趣味や、直近で行く予定のあるイベント
・会話の中で出た「好きな飲み物」や「苦手な話題」
・お子様やペットの名前、最近の悩み事
これらを電子カルテに記録しておき、次回の来店前にサッと見直します。
来店された瞬間に「〇〇様、そういえば先週の旅行はいかがでしたか?」や「今日もお仕事お疲れ様でした。いつものハーブティーをお淹れしますね」と声をかけるだけで、お客様は自分を特別に扱ってくれていると感じます。
この「小さな記憶の積み重ね」が、他店には真似できない強力なリピートの動機となります。
電子カルテは、ネイリストの記憶力を補うだけでなく、お客様との絆を深めるためのデータベースなのです。
【次回予約率を上げる!写真を見せながらの「未来提案」】
リピート率を上げるための最も直接的な方法は、施術の最後に「次回の予約」をいただくことです。
しかし、単に「次回はどうされますか?」と聞くだけでは、多くのお客様は「また予定がわかったら連絡します」と答えてしまいます。
ここで有効なのが、電子カルテに保存した写真を活用した「未来提案」です。
iPadでお客様のこれまでのネイルの歴史を一緒に振り返りながら、「今回は春らしいピンクでしたが、一ヶ月後は初夏になるので、こちらのシアーなブルーのデザインに挑戦してみませんか?」と提案します。
過去の履歴が写真として並んでいるからこそ、お客様は「自分の好みの変化」を客観的に楽しむことができ、次回のデザインへのワクワク感が膨らみます。
「次回のデザインが決まったから、予約も取っておこう」という心理状態を作る。



これが、電子カルテを使ったスマートな次回予約の取り方です。
お客様の好みを熟知しているあなただからこそできる提案は、何よりも強力な再来店のフックとなります。
【失客を未然に防ぐ!電子カルテを活用したアフターフォロー】
施術が終わった後も、電子カルテの活用は続きます。
リピート率の高いサロンは、お客様がサロンにいない間のフォローを欠かしません。
例えば、施術の数日後に「ジェルの持ちはいかがですか?」といったメッセージを送る際も、電子カルテの記録を確認します。



「今回は少し爪が薄くなっていたので、根本を厚めに仕上げましたが、違和感はありませんか?」
このように、個別の状況に合わせた具体的な一言を添えることが重要です。
また、電子カルテで「最終来店日」を管理することで、しばらく足が遠のいているお客様を自動的に把握できます。
「そろそろ付け替えの時期ですね」というリマインドを送る際、前回の施術写真を添えて送ってみてください。
綺麗だった指先の写真を送ることで、お客様の「また綺麗になりたい」という気持ちを再燃させることができます。
放置すればそのまま失客してしまう「なんとなく層」を、電子カルテという仕組みを使って丁寧にお店に呼び戻す。これが売上を安定させる秘訣です。
【まとめ】
ネイルサロンのリピート率は、技術だけで決まるものではありません。お客様をどれだけ深く知り、それを接客や提案に反映できるか。
その「おもてなしの密度」こそが重要です。



電子カルテは、その密度を高めるための最強のパートナーです。
情報を記録し、来店前に予習し、写真を使って未来を提案し、離れている間もフォローする。
この一連のサイクルを電子カルテというツールで仕組み化することで、ネイリストの負担を減らしながら、お客様の満足度を最大化させることができます。
「またあのお店に行きたい」「あの人にネイルをお願いしたい」 そう思っていただけるファンを一人でも多く増やすために。
ぜひ今日から、電子カルテを使った「一歩先行く顧客管理」を始めてみてください。
その積み重ねが、一年後のあなたのサロンを大きく支える力になっているはずです。


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